プレゼン資料を作成する際、ついついパワーポイントをいきなり開いていませんか?
「とりあえず何か打ち込んで、あとで調整すればいいか…」という感覚で作り始めると、後になって何を伝えたいのか分からなくなってしまうことがよくあります。
資料をうまくまとめたいのであれば、まず構成をしっかり練ることが一番の近道です。
今回の記事では、プレゼン資料を効率よく作成するための5つのステップと、その中で押さえておくべきポイントを紹介します。
少し意識を変えるだけで、プレゼン資料作成が驚くほどスムーズに進みますよ。
01 目的を明確にする
まずは、プレゼンの目的を明確にすることが重要です。
資料を作り始める前に「何のためにこのプレゼンをするのか」「最終的に何を達成したいのか」を明確にすることで、全ての要素がそのゴールに向かって整理されていきます。
次のような質問を自分に投げかけながら、方向性を決めましょう。
・誰に向けての発表か?
・伝えたい事は何か?
・ゴールは何か?
例えば、新しい製品を紹介するプレゼンなら「製品の魅力を伝え、聞き手に購入や導入を促す」ことがゴールになるでしょう。
社内での企画発表なら、「アイデアの価値を理解してもらい、プロジェクトを承認してもらう」ことが目標です。
目的が明確でないと、途中で軸がぶれてしまいがちです。
さらに、必要なデータや参考文献なども、この段階で整理しておくと後々作業がスムーズに進みます。
情報を無秩序に詰め込むのではなく、プレゼンの目的に沿ったものを選び抜くことが大切です。
02 聞き手を理解する
プレゼンが成功するかどうかは、聞き手のニーズをどれだけ理解できているかにかかっています。
ビジネスマンとして、日々異なる相手に向けて話すことも多いでしょうが、その相手の立場に立つことが重要です。
聞き手の関心、知識レベル、抱えている課題やニーズを事前に調査しておきましょう。
例えば、専門的な技術者向けのプレゼンでは詳細なデータや専門用語が必要かもしれませんが、一般的なビジネスパーソン向けであれば、難しい専門用語を避け、シンプルな言葉で説明した方が効果的です。
聞き手が知っている情報を前提にするのではなく、「この場で新しく学ぶかもしれない」と思いながら作成しましょう。
また、プレゼン先のメンバーの背景情報を集めておくこともポイントです。
どのような人か?
・専門分野外の業務に従事している
・日々の業務効率に関心がある
・技術用語や背景にはあまり詳しくない
どのような課題をもっているか?
・日々の業務負担を軽減したい
・新しいツールやシステムに不安を感じている
・業務にどう影響するのか理解したい
など、どの業界の人々か、どんな問題を抱えているのか、何に関心があるのかなど、事前にリサーチしておけば、プレゼン内容を最適化できます。
03 ストーリーを作る
資料を作り始める前に、プレゼンのストーリーを構築しましょう。
単なる事実の羅列や説明だけでは、聞き手の関心を引き続けることは難しいものです。
代わりに、物語性のあるアプローチを取り入れることで、聞き手はより内容に引き込まれ、印象にも残りやすくなります。
例えば、製品のプレゼンなら、開発に至るまでの苦労やユーザーの課題をどのように解決するかというストーリー仕立てにすると良いでしょう。
また、プレゼン全体が一貫した流れを持つことで、聞き手も情報を理解しやすくなります。
起承転結を意識した構成を心がけましょう。
【製品開発の起承転結の例】
起:プロジェクトの発端と目標
・従来の製品を改善し、業務効率を50%向上させる」ことを目指し、開発をスタート。
承: 開発中の困難や課題
・新しい技術の導入が難航し、システムの互換性で課題が発生。開発は一時停止の危機に。
転: 解決への工夫と転機
・メンバーのアイデアで新しいソリューションが生まれ、互換性をクリアできた。
結: 製品の完成と成果
・業務効率50%向上を達成し、多くの現場から高い評価を得て成功を実感。
など、エピソードや事例を織り交ぜることで、プレゼンの内容にリアリティと親しみやすさを持たせることができます。
感情を揺さぶるような話や、聞き手が自分と関連付けやすい例を提示することで、プレゼンがより効果的になるでしょう。
04 ロジックを意識する
03のストーリーで聞き手の関心を引きつけたら、次はロジックに基づいた資料の整理です。
データや検証事例を使って、プレゼン内容を支える論理的な構造を作り上げましょう。
聞き手が「なるほど、そういうことか」と納得できるような論理的な流れを意識することが重要です。
・情報の選択と優先順位を明確にする。
・情報の順序を考慮し、ストーリーの中でどの順番で伝えるかを決める。
・各要素がどのように関連しているか、論理的なつながりを示す。
この段階で、図やグラフを活用すると、さらに分かりやすいプレゼンになります。
特に、複雑なデータや情報を視覚的に整理することで、聞き手の理解度がぐっと向上します。
また、最後にはしっかりとした結論を提示し、聞き手に何を行動として起こしてほしいのかを明示することが大切です。
05 Q&Aの時間を取る
最後に、プレゼンが一方通行で終わらないように、Q&Aの時間を確保することを忘れないようにしましょう。
聞き手が抱いている疑問や懸念に直接応える時間を設けることで、理解が深まり、プレゼン全体の価値が高まります。
また、質疑応答の時間を設けるだけでなく、よくある質問(FAQ)のページをプレゼン資料に入れておくのも有効です。
これにより、プレゼンの進行中に聞き手が疑問を感じても、あらかじめそれに応えることができ、効率的な進行が可能になります。
「とりあえず、何か打ち込もう」と、すぐにパワーポイントを開いてしまいがちですが、ゴールを決めずに進めていくと、まとまりのない資料になりがちです。
せっかくの素晴らしいサービスや企画の価値が十分に伝わらず、聞き手に響かないのはもったいないですよね。
まずは、プレゼンの目的とゴールを設定することからスタートしましょう。
プレゼンの骨子が決まれば、あとは資料作成は意外とスムーズに進みます。
最初のステップを大事にして、伝わるプレゼン資料を作りましょう!